腹式呼吸と血圧
カラオケでストレスを解消している人は、たくさんいます。
しかし、カラオケで血圧を下げたり運動不足の解消になる、という噂は本当なのでしょうか。
逆に大きな声で歌うことが血圧が上がるのではないか心配する人もいると思います。 確かに歌っている最中は多少血圧が上昇します。
ところが、歌い終わった直後は、血圧がぐっと下がるのです。
ただ、いくら血圧を下げる効果があるといっても、カラオケに毎日通うのは非現実的。1ヶ月に1−2回いって、長時間歌い続けるというのもいけません。
そこでお勧めしたいのは、自宅で好きな歌を1日1回思い切り歌うという方法です。その際の効果的な方法を紹介しましょう。
まず、歌うときには腹式呼吸が基本です、息を吸うときにお腹を膨らませ、吐くときにお腹をへこませるのです。 私たちが普段行っている呼吸は胸式。息を吸うときにお腹をへこませ、吐くときにお腹を膨らませます。
胸式では、はいを構成する7−8億個近い肺胞のうち、5−6割しか働いていない状態です。それが腹式呼吸では、8割以上の肺胞が働くので、体に取り入れられる酸素の量が約1.5倍にも増えるという報告があります。
血中の酸素濃度が上がるので、呼吸はゆったりでき、拍動も緩やかになります。それが全身のリラックスにつながるのです。
リラックスすると、副交感神経の働きが優位になり、血管は拡張して自然に血圧が下がってきます。
ちなみにストレスが原因の高血圧の人が、腹式呼吸によって20mmHg近く血圧が下がる例は多く見られます。
肺に新鮮な酸素が大量に取り込まれることの効果はそれだけではありません。
体の組織や細胞の新陳代謝を高めて、疲労物質を素早く排出してくれますし、脳の働きを高め、いわゆる、さえた状態になります。
これは気分が高揚することにもつながるのです。 よく、お腹から声を出せといわれるのは、腹式呼吸のこと。
単に大声を張り上げて、叫んでいるような歌、口先だけで歌うような曲では効果がありません。
また、お腹から声を出して歌うことは一種の筋肉運動。ウォーキングしたのと同程度のエネルギー消費になります。運動療法と同じ効果が期待できるのは嬉しいですね。